Community and Society / コミュニティと社会

Kyoto Seika University / 京都精華大学

Community & Society / コミュニティと社会

人が集まることでできている私たちの社会は、さまざまな規模、種類のコミュニティが重層的に重なり合い関わりあうことで形成されている。コミュニティのあり方には、ゲマインシャフト(血縁的、地縁的)とゲゼルシャフト(近代的、利益的)があるとされてきた。しかし近年、この二つのコミュニティ形態に加え、様々な形でコミュニティが多様化しており、その変容と再生が社会的課題となっている。
コミュニティーの中には、地域コミュニティのように共通の「場」を基盤として発展したもの、国際的なコミュニティー、宗教コミュニティーやネットコミュニティーなど地域や場所にとらわれない「繋がり」のなかから生まれたものもある。コミュニティーとは何か。そして私たちの社会はどのような「繋がり」によってできておりどのように変化しているのか。本講義では、様々なコミュニティーの特徴とその変容について学ぶと同時に、身近な事例として地域
コミュニティーの現状や、その再生について具体的な事例を通し、理解を深める。
コミュニティーの基盤となってきた地域社会は、一つの独立した人間集団ではなく、都市部や農村部を問わず他の地域社会と相互扶助の関係をもち、バランスを取りながら存在してきた。またそこに常に集まる目的意識をもった人々によって構築され、時代や社会背景に応じて変容してきた。しかし近年の日本では少子化と高齢化の影響をうけ、こうした地域社会が崩壊しつつあるといえる。人口上の問題だけではなく、「モノ」の文化の時代と呼ばれる現在、「個人」の価値判断基準が「モノ」に依存する部分が大きくなり、周りに対する考え方、関わり方の変化が顕著になっていることも地域コミュニティー崩壊の一つの理由と考えられている。つまり、現代社会では人と人の関係、つながりが希薄になったがゆえに、集団としての機能が曖昧になり、集まって住む意義や目的を失っていく集団がある。本講義では地域コミュニティーの再生について論じるが、そのためにはある地域に存在する帰属社会がその地域とどのように関わってきたか、また今後かかわっていきたいかを再提示すると同時に、それを取り巻く社会や外部とどのような関係を結んでいくのかが大きな論点となる。
本講義では、現代におけるコミュニティ変容の社会的背景や要因、コミュニティ再生の現状について様々な事例を通して学ぶことで、今後自らが生きていく社会におけるコミュニティや地域社会の在り方について自ら課題を発見し、分析する能力を身につける。

プログラム

第1回 イントロダクション(ガイダンスとキーワードの説明)
第2回 地域社会・コミュニティの概念と定義
第3回 コミュニティの歴史と形成
第4回 現代社会の変容と多様化(ローカルからグローバル化する地域社会)
第5回 コミュニティの存続・再⽣と課題(対策と取り組み)
第6回 都市コミュニティの事例1(学校のリノベーションと地域再⽣)
第7回 都市コミュニティの事例2(町家・⻑屋のリノベーションと地域再⽣)
第8回 都市コミュニティの事例3(団地・集合住宅のリノベーションと地域再⽣)
第9回 農村コミュニティの事例1(過疎化と地域再⽣)
第10回 農村コミュニティの事例2(学校統廃合と地域再⽣)
第11回 世界のコミュニティの事例1(中国のアフリカ⼈コミュニティ形成と課題)
第12回 世界のコミュニティの事例2(国際移住と地域社会)
第13回 世界のコミュニティの事例3(エスニック・宗教・⾔語コミュニティの形成と課題)
第14回 学習内容の確認と場合によって発表
第15回 授業の振り返り(コミュニティと社会のあり⽅の総括と討論)

担当教員

Oussouby SACKO/ ウスビサコ

Kae AMO / 阿毛 香絵

日時

後期金曜日5限

※本講義はコンソーシアム科目のため京都のコンソーシアム加盟大学の学生は受講可能です。

連絡

kaeamo@kyoto-seika.ac.jp

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